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トランプ大統領の政策から考える大統領制と議員内閣制


    従来の米政治の常識を逸脱するトランプ大統領の政策

    ドナルド・トランプ大統領は、就任直後から従来の政治の枠組みを大きく揺るがす政策を次々と打ち出してきました。
    移民政策の厳格化、関税引き上げによる保護主義的経済政策、同盟国に対する強硬な外交姿勢など、そのスピードと大胆さは世界に衝撃を与えました。

    特に特徴的なのは、大統領令を積極的に活用し、議会の調整を待たずに政策を実行していく点です。
    「前例がない」「そんなやり方は聞いたことがない」と言われることでも、トランプ大統領は次々と実行に移してきました。

    トランプ大統領のパーソナリティーがもちろん大きく影響しているのですが、
    おそらく日本の政治制度ではさすがのトランプ大統領でもこのような政策は実現できなかったと思います。

    きょうは大統領と首相の権限の違いについて考えてみたいと思います。

    トランプ大統領の具体的政策

    • 世界各国への恣意的とも思える高関税政策
    • 66の国連機関、国際条約から次々脱退
    • 同盟国デンマークの自治領グリーンランドの割譲を要求
    • ベネズエラの大統領を相手国に乗り込んで拘束し政権転換を図る
    • 移民を国外に追放するため民主党が強い地域で移民を摘発

    など、数え上げればきりがありません。
    国際社会や世論の反発を考えるとどれもできるなかなか実行できるものではありません。

    「前例を壊す」トランプ大統領のパーソナリティ

    これらを実行するのは、もちろんトランプ大統領の個性が大きく影響しています。
    ビジネスマン出身で、トップが決断し、即実行するスタイルに慣れている彼にとって、従来の政治的な根回しや妥協は「遅すぎる」と映ったのでしょう。

    しかし、重要なのは彼の性格だけが理由ではないという点です。
    トランプ大統領の行動が可能になっている背景には、「大統領制」という政治制度そのものがあります。


    初心者でも分かる「大統領制」と「議員内閣制」の違い

    ここで、政治制度の基本を整理しておきましょう。

    大統領制とはどんな政治制度なのか

    大統領制とは、国民が大統領を直接選び、その大統領が行政のトップとして国を運営する制度です。
    アメリカや韓国が代表例です。

    • 大統領は国民の直接選挙で選ばれる
    • 行政権が大統領に集中する
    • 任期中は簡単に交代しない

    そのため、大統領の意思が政策に反映されやすいのが特徴です。

    議員内閣制とはどんな政治制度なのか

    一方、日本やイギリスが採用しているのが議員内閣制です。

    • 国会議員の中から首相が選ばれる
    • 内閣は国会の信任が前提
    • 政党や派閥の影響を強く受ける

    首相は国のリーダーではありますが、その権限は議会との関係の中で制限されます。


    大統領と首相では、何がどれほど違うのか

    大統領が持つ権限の特徴

    大統領の最大の特徴は、「国を一気に変えられるほどの権限」を持っている点です。

    • 行政府のトップとして強い決定権
    • 外交・軍事分野で特に大きな影響力
    • 任期中は安定した権力基盤

    トランプ大統領のように強い意思を持つ人物が就任すると、短期間で国の方向性が大きく変わります。

    盛り上がる大統領選挙

    大統領選挙は、「この人に国を任せる」という選択が非常に分かりやすい選挙です。
    投票行動が国の方向性と直結するため、国民の関心も自然と高まります。

    アメリカや韓国の大統領選挙を見るたびに、人々の熱狂ぶり、関心の高さにうらやましさを感じました。

    首相が置かれている立場と制約

    一方で首相は、国民が直接選んだ存在ではありません。
    選挙で選ばれるのはあくまで政党や議員であり、首相はその結果として選ばれます。

    そのため、

    • 政党内の合意形成が不可欠
    • 党内対立があると政策が進みにくい

    という制約があります。
    これは慎重な政治運営につながる一方で、スピード感に欠ける要因にもなります。

    首相を国民が直接選べないという仕組み

    日本では、選挙後に誰が首相になるのか分かりにくいケースも多くあります。
    そのため、「自分の一票で国のトップを選んだ」という実感を持ちにくいのが現実です。

    また、首相は常に政党や派閥との調整を求められます。
    強いリーダーシップを発揮しようとしても、党内の反発があれば思うように進められません。


    【図解】大統領制と議員内閣制の比較表

    項目大統領制(米・韓など)議員内閣制(日・英など)
    トップの選ばれ方国民が直接選挙国会議員が選出
    トップの権限の強さ非常に強い比較的弱い
    政策決定の速さ速い遅くなりがち
    政党の影響比較的少ない非常に大きい
    メリット決断力・分かりやすさ安定性・合意重視
    デメリット権限集中のリスクスピード不足

    大統領制は本当に「うらやましい制度」なのか

    アメリカや韓国の大統領制を見て感じる魅力

    分かりやすいリーダー、力強い決断、迅速な改革。
    大統領制には、確かに魅力的な側面があります。

    いま見えてきた「トップの権限が強すぎる弊害」

    しかし同時に、トップの権限が強すぎることで、社会の分断が深まるリスクも見えてきました。
    トランプ大統領の強硬政策を巡る混乱は、その一例と言えるでしょう。


    トランプ大統領の強硬政策が私たちに投げかける問い

    強いリーダーは、国を前に進める力になります。
    一方で、その力が暴走したとき、誰がそれを止めるのかという問題も生まれます。

    大統領制と議員内閣制は、どちらが優れているという単純な話ではありません。
    それぞれにメリットとリスクがあり、私たちは制度の違いを理解した上で政治を見ていく必要があります。
    そして責任を持って政治家を選ばなければなりません。


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