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中国経済の行く先は?|日本と同じ道をたどる?


中国国営テレビのニュースを見ていると、物が売れ、経済は順調に回っているというニュースをよく見ます。
これを真に受ければ、「中国経済はまだまだ強い」と感じる人も多いでしょう。

しかし、実際の経済データや現地の状況を見ていくと、国営放送のニュースとは異なる姿が浮かび上がってきます。
それは日本のバブル経済崩壊後の失われた30年と同じ道のようにも見えます。
本記事では、初心者の方にも分かりやすく、中国経済の現状と将来について整理していきます。

(なお、今回紹介するグラフなどの資料はすべて日経電子版からの引用です)


中国のテレビニュースが伝える「好調な経済」

中国国営テレビのニュースでは、消費の回復やイベントの盛況ぶり、新規ビジネスの誕生など、明るい話題が中心に報じられます。
これは単なる偶然ではなく、「経済は安定している」「国民生活は向上している」というメッセージを強調する編集方針によるものに見えます。

実態は異なる?中国経済が抱える減速とデフレ

ところが、実際の中国経済は以前ほどの勢いを失っています。
かつては年率10%近い成長が当たり前だった中国経済ですが、近年は成長率が大きく鈍化しています。
数字上はプラス成長を維持していても、「力強い成長」とは言い難い状況です。


深刻化する中国の不動産不況

たとえば、中国の不動産不況は、人々の生活や人生を直撃するレベルにまで広がっています。

象徴的なのが、大手不動産デベロッパーの経営危機です。
かつて中国各地で大規模開発を進めていた不動産会社が資金繰りに行き詰まり、建設途中の住宅が完成しないケースが相次ぎました。
中国では建物が完成する前にお金を払う慣習なので、購入者はすでに住宅ローンを払い始めているにもかかわらず、住む家が引き渡されない――こうした事例が社会問題化しています。

その結果、

  • 「住宅は資産になる」という神話が崩れる
  • 将来の値上がりを期待して家を買う人が激減
  • 住宅購入を先送りする若年層が増加

という変化が起きています。

また地方都市では、新築マンションが売れ残り、夜になっても明かりがほとんど点かない“ゴースト化した住宅団地”が目立つようになりました。
住宅価格の下落は、家計の資産価値を直撃し、「財布のひも」を一気に締めさせる要因になっています。

不動産は地方政府の財政とも深く結びついているため、土地が売れなくなることで公共投資も減少し、地域経済全体が冷え込む悪循環に陥っています。


「日本のようにはならない」はなぜ崩れたのか

さらに深刻なのがデフレ傾向です。物価が上がらず、場合によっては下落する状態が続くと、企業は利益を確保しにくくなり、賃金も上がりません。
その結果、消費が冷え込み、経済全体が停滞するという悪循環に陥ります。

これは日本が1990年代以降に経験してきた状況とよく似ています。

数年前、中国経済の成長が鈍化し始めた際、中国政府関係者や専門家は
「日本の失敗を教訓にしている」「日本のようにはならない」
と趣旨の発言を繰り返し行いました。

確かに、日本のバブル崩壊後の長期停滞は、世界中の政策担当者にとって反面教師です。しかし現実には、中国も日本と同じような課題に直面しています。

政府の負債も膨れ上がっています。
日本ほどではありませんが、債務残高が急速に増えています。


「日本化」を避けるはずだった中国経済は、気づけば同じ轍を踏みつつあるのです。


人口減少という避けられない問題

中国経済の将来を考えるうえで、人口問題も避けて通れません。
中国の総人口はすでにピークを打ち、減少局面に入りました。今後は長期的に人口が減り続けると予測されています。

特に衝撃的なのは出生率です。
現在の中国の2023年の合計特殊出生率は1.00で、少子化が問題視されている日本の1.21を下回っています。
「人口大国」というイメージとは裏腹に、若い世代は急速に減っています。

人口が減れば、労働力も消費者も減少します。これは経済成長の土台そのものが弱くなることを意味します。


出産奨励でも出生率が回復しない理由

中国政府は一人っ子政策を撤廃し、出産を奨励しています。しかし出生率はほとんど回復していません。
この点も日本と非常によく似ています。

最大の要因は、子どもを育てるコストの高さです。
住宅費、教育費、医療費――都市部ではこれらの負担が重く、若い世代ほど「子どもを持てない」と感じています。

政府が「産め」と呼びかけても、生活の不安が解消されなければ出生率は上がらない。この現実は、日本がすでに経験してきたものです。


まとめ:中国経済の行く先は楽観できない

GDP世界2位の中国。しかし実態は、成長鈍化、デフレ、人口減少という重い課題を抱えています。

日本の苦難の時代を見ていたはずですが、政府の政策だけで社会の動きを左右できるものではないことが浮かび上がります。

社会が安定し、人々が豊かになると出生率が低下し、人口減少に向かうというのは万国共通なのかもしれません。

これから中国がどのようになっていくのか。

日本と同じ道をたどるのか興味深いです。

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